健診・人間ドック

PET-CTのご説明

がんは早期発見が第一です。
~がん検診で大切なこと~

PETとは

PETは、Positron Emission Tomography (陽電子放射断層撮影装置)の略です。ブドウ糖に放射能を出すアイソトープをくっつけたFDGを注射し、それを特殊なカメラで撮影します。細胞は、ブドウ糖をエネルギー元として細胞の中に取り込んでいます。癌細胞は正常細胞よりも活動が活発なため、エネルギー源であるブドウ糖を正常細胞よりたくさん癌細胞の中に取り込みます。したがってこのFDGを注射すると、悪性腫瘍の部分に多く取り込まれるため、写真に濃く写ることになります。PET-CTはこのPETとCTをほぼ同時に撮影することにより、小さな癌も精度よく見つけることができるようになるわけです。小さな癌、特に肺癌、頭頚部癌(咽頭癌、喉頭癌、甲状腺癌など)は、PET-CTでの発見がたいへん有用です。咽頭癌、喉頭癌などは、他の方法では、早期に癌を見つけることは困難です。乳癌、大腸癌、子宮癌、卵巣癌、膵臓癌も症状のない段階での発見が可能です。しかも、PET-CTでは一回の検査で多臓器を検査できます。

PET-CTを組み合わせた「がんドック」では、平成17年度より平成20年度まで、静岡徳洲会病院開院以来3003名のドック受診者がおり、癌と確定しているものだけでも23名(*0.76%)います。

*従来の健康診断の癌発見率は0.1%~0.3%と言われています。

PETとは何か・・・

癌細胞は、正常細胞とくらべ、とても多くのブドウ糖を細胞内に取り込んで消費します。この性質を利用して、ブドウ糖が他の臓器より多く集まっている場所をつきとめて「がん」を発見するのが「PET検査」(ポジトロン断層撮影)のしくみです。

PET(ペット)とはいったい何?

  • 放射線を使った検査です。
  • がんの発見に非常に有効です。(早期がんでわからないものがあります)
  • 保険適用が可能な病気もあります。

PET検査とはどのような検査?

PET検査とは「ポジトロンエミッショントモグラフィー」「陽電子放射断層撮影法」と呼ばれ、X線CTの様な装置で、心臓や脳、腫瘍などの動きを断層画像(輪切りや縱切りの画像)として捕らえ、病気の原因や病状を的確に診断する最新の検査方法です。検査方法は「ポジトロン(陽電子)」を放出する薬剤を注射し薬剤が体内を移動し腫瘍に集まる様子を体の外側からPETカメラにて撮影します。

CT検査やMRI検査と違うの?

CTやMRIの検査では輪切りの写真や縱切りの写真を撮影しています。X線撮影(レントゲン撮影)やCT検査では、体の外側からX線を照射し、反対側に配置した検出器でX線の透化量を調べ画像にします。MRI検査では強い磁石の中に入って体に電波をあてて体内の水分子を画像化しています。PETなどの核医学検査では体内に注射した薬剤から出てくる放射線を外側に配置した検出器で捕まえて画像にしています。

PET検査では何を注射するの?

人間ドックなどで癌を見つけるためのPET検査では放射線を出すブドウ糖(グルコース)を注射します。このブドウ糖を「フルオロ・デオキシ・グルコース」とよび、頭文字を取ってFDGと呼んでいます。放射性同位元素(放射線を出す物質)は、「フッ素」F-18を使っています。したがって現在のPET検査はよくFDG-PET検査と呼ばれています。

PET検査は痛かったり苦しくないですか?

胸のレントゲンを撮影する時に痛くないのと同じで、放射線事態は全く痛みや苦しみはありません。採血と注射があります。PET検査の6時間前から食事制限があり、ベッドに20分ほど寝ているだけで検査が終了します。

どんな癌が見えるのでしょうか?

PETで分かりやすいがん 肺癌・咽頭癌・喉頭癌・甲状腺癌・大腸癌・食道癌・膵臓癌・子宮癌・卵巣癌・乳癌・悪性リンパ腫・骨腫瘍・悪性黒色腫・癌の転移巣
*咽頭癌、喉頭癌はPET-CTでわかるようになりました。この癌は、ほとんど喫煙者に起こります。喫煙している方、禁煙して5年以内の方は肺癌ほかの癌検診も含めPET-CTでの癌検診が有用と考えられます。
PETで分かりにくいがん
  • 腎がん・膀胱がん(超音波での発見率が高い)*薬剤が尿から排泄されるために見えにくい
  • 胃がん(内視鏡やバリウム検査での発見率が高い)
  • 肝臓がん(超音波での発見率が高い)
*残念ながら、早期で発見出来ない癌もあります。急性白血病、成長速度の早い肉腫や一部の癌などです。現代の医療では、これらはどうすることもできないのが実情ですが、これらの癌は、2-3%以下と考えられます。
  • ★PET-CTの読影は、放射線科専門医と核医学専門医兼PET-CT核医学認定のダブルチェック体制で行っています。
  • ★PET-CT検査は、日本核医学会の監修の基に制作されたガイドラインに沿って行います。

PET-CTドックのスケジュール

10:10からスタートの方の場合は以下のとおりです。

  1. 10:10 来院

    受付は健康管理センター【3階】です。受付後、 PET-CTセンター【1階】へご案内します。検尿検査

  2. 10:30

    更衣後、身長、体重、血圧、血糖値を測定し、“FDG”と呼ばれるブドウ糖に微量の放射線を加えた薬を注射します。

  3. 10:35

    安静室で約1時間、薬が全身に回るまで安静にしていただきます。

  4. 11:30

    いよいよ撮影開始です。撮影時間は約30分ぐらいです。(※この間は外に出られませんので、事前にトイレを済ませていただきます。)

  5. 12:00

    回復室で約30分、体内のガンマ線が減少するまで休憩していただきます。

12:30頃 約3時間のPET-CTドックの検査終了です。

PET-CT検査による被爆の量は バリウム検査1回分と同じか、それよりも少ないくらいです。また尿などの排出により、翌日には体外へ出てしまうので副作用の心配もありません。

検査時間枠

(1) 9:10 受付 → 終了予定時刻 12:20
(2) 9:40 受付 → 終了予定時刻 12:50
(3) 10:10 受付 → 終了予定時刻 13:20
(4) 10:40 受付 → 終了予定時刻 13:50
(5) 11:10 受付 → 終了予定時刻 14:20
(6) 11:40 受付 → 終了予定時刻 14:50
(7) 12:10 受付 → 終了予定時刻 15:20
(8) 12:40 受付 → 終了予定時刻 15:50

2022年5月10日改定

※検査の6時間前からお食事などは控えてください。ただし水、お茶はかまいませんが、ジュース等の糖分を含んだ飲み物は控えてください。

結果について

PET-CTドックの結果は文書・CD画像で御案内します。2週間前後で血液や尿検査を含めた総合結果として郵送します。

PET-CT検査の注意事項

検査前日の運動に関しての注意事項

FDG(当日使用する薬剤)の筋肉への生理的な集積を起こします。検査前日は、精度の高い検査をするために、過度の運動(テニス、野球、ジョギング、カラオケ)は念のために控えてください。肩こり・腰痛などのマッサージも控えてください。

飲食について

PET検査受付時間の6時間前から「飲食・糖分を含んだ飲料」は控えて下さい。(牛乳、飴、ガム等も不可)。但し、お水やお茶であれば適度に飲んでもかまいません。

糖尿病、血糖値の高い方へ

当日、血糖値の測定を行います。血糖値が高い場合は、画像が精度が低くなります。糖尿病もしくは、疑いのある方は、主治医に血糖値のコントロールをあらかじめ相談してください。

服薬中の薬について

  • PET検査受付の4時間前より原則として胃薬、糖尿病薬、漢方薬などは服用しないで下さい。それ以外の飲まなければならない薬(血圧・心臓病の薬)は服用して下さい。
  • 当日に服用する分を持参してお越し下さい。
  • インシュリン注射をして要している方は、検査終了後お食事前に注射を行って頂きますのでご用意下さい。

※お薬に関しての不安な点は、まずはご自身の主治医とご相談下さい。

女性の方へ

妊娠の可能性がある方へは、健診は行っておりません。

PET-CT検査終了後について

検査のために放射線を出す薬剤を注射します。検査終了後も体内からはごく微量なガンマ線が放出されています。検査終了後、約12時間弱い放射線を出し続けますが、検査を受けられた本人にも害を与える量ではありませんので、もちろん周囲の方への影響もありません。しかしながら、ご自身から放射線が出ていることをご理解下さい。検査当日は、小学生以下、妊婦にはあまり近い距離で接するのは出来る限り控えましょう。

*2メートルほどの距離をあけていただければ、まったく影響はなくなります。

キャンセル料について

PET-CT検査では、受診される方に合わせてFDG検査薬を用意します。検査前日(日・祝日は含まない)・当日に日程変更や体調不良等の理由によりキャンセルされた場合は、 薬剤分を*キャンセル料としてご負担いただきますのでご了承ください。
また、検査薬は短時間の使用期限です。ご予約のお時間にご来院いただけない場合は、検査中止となることもあります。検査中止となった場合も、キャンセル料と同じく検査薬代は自己負担となります。

*キャンセル料:検査薬代として45,200円のご請求となります。

副作用について

検査で使用する薬剤による副作用は特に報告されていません。薬剤は、そのほとんどが尿と一緒に排泄されます。

PET-CTを含むがんドック・検査項目

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